京ことばであいさつ

京ことばであいさつ
きょうことばであいさつ

「イヤー奥さん、お出かけどすか」「へェちょっとそこまで」「そうどすか。お気をつけて、いっといでやす」「おおきに。ほな行ってきます」京都のあいさつは、これで始まります。だけど、よその方がきかれたら、何のことやらさっぱり分からないかもしれませんね。「お出かけですか」と聞いているのに、答えるほうは「ちょっとそこまで」。京都では「そこまでて、どこまで行かはるの」などと立ち入ってきくことはありません。ではなぜ聞くのかとお思いでしょう。これは、ご近所付き合いのマナーであり、声かけなのです。家族でも朝出かけるとき、「行ってきます」に対して、「おはようおかえりやす」と送り出します。しかしこんな誤解も起こります。他府県から京都に嫁に来た人が出かけるとき、お姑さんから「おはようおかえりやす」と言われて、たまに出かけるのに早く帰ってこいなんてやっぱり京都の人は意地悪だと思いこむ―。本当は相手を思いやる気持ちなんですよね。

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