久世駒形稚児

久世駒形稚児

京都市南区の桂川沿いに「久世(くぜ)」というエリアがあり、その久世には綾戸国中(あやとくなか)神社という、「素戔嗚命(すさのおのみこと)」を祀った社があります。八坂神社は「素戔嗚命」の和魂(にぎみたま)を祀り綾戸国中神社は「素戔嗚命」の荒魂(あらみたま)を祀るともいわれています。

その社の氏子区域である久世から派遣されてくるお稚児さんが「久世駒形稚児(くぜのこまがたちご)」です。このお稚児さんたちは、山鉾巡行ではなく「神幸祭(しんこうさい)」と「還幸祭(かんこうさい)」の行列を守護するために使わされた神の使いとされています。2人のお稚児さんは、馬の首の形を模した「駒形」を首飾りのように身に付けていることから「駒形稚児」と呼ばれているのです。この「駒形」は綾戸国中神社の御神体でもあり、稚児たちはその「形代(かたしろ)」を胸にかけていることになります。ですからこの期間は、神に最も近い存在といえるでしょう。

17日の神幸祭と24日の還幸祭には「素戔嗚命」を乗せた中御座(なかござ)の神輿のそばに、馬に乗って同道しています。

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