祇園祭の歴史

祇園祭の歴史
ぎおんまつりのれきし

祇園祭の歴史は古く、その由来は平安時代初期の清和天皇の時代までさかのぼります。

貞観5年(863)に朝廷の直轄庭園であった「神泉苑(しんせんえん)」で「御霊会(ごりょうえ)」という神事が行われました。これは政争などで非業の死を遂げた人たちの怨霊がこの世に災いをなしているとする考えで、飢きんや天災の原因もそうだとされていました。その魂を慰めるために催された神事が「御霊会」です。6年後の貞観11年(869)には規模も大きくなり66本の鉾が「神泉苑」に集結したとされています。鉾は邪気を祓うため、66という数字は当時の日本が66カ国あったことに由来するとされています。その後、鉾は山車(だし)形式に変化していき、室町時代になりますと、当時力をつけてきた町衆たちによって、豪華な懸装品(けそうひん)に飾られることになったようです。幾多の戦乱や火災で、焼かれてしまった山鉾もありますが、その度に復興される山鉾もありました。立派な懸装品をじっと見ていますと、大切なものを守り伝えてきた京の町衆たちの苦労と熱意が伝わってきます。

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