絵馬

絵馬
えま

絵馬(えま)とは馬の代用品です。昔、神社に本当の馬を奉納することにより祈願をしていたことがありました。朝廷が雨乞いの際には黒い馬を、雨止みを祈る時には白い馬を水の神様、「貴船神社」に奉納していたのです。やがて本物の馬の代わりに大きな駒形の木の板に馬の絵を描き奉納するようになり、やがて物語の場面などいろんな絵を板に書いて奉納するようになりました。願いごとだけでなく、神社に芸能を奉納(披露)するときにはその記念として、演目や役者名・日などを絵馬に書いて奉納しました。大きな神社には、そんな巨大絵馬が掲げられている絵馬所が大概あります。中には有名な絵師が描いて、そのままにされている例もあり、北野天満宮では、桃山時代の巨匠、長谷川等伯(とうはく)が描いた「昌俊弁慶相騎図(しょうしゅんべんけいそうきず)」という大きな絵馬が400年もの間、作者が分からないまま、吹きさらしの絵馬所に無造作に懸けられており、調査の結果、等伯の真作と分かった時点で宝物館に安置されるようになりました。現在は重要文化財に指定されています。

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