仏画

仏画
ぶつが

「仏画」は、「仏教」関係の絵画のことです。儀式に使用する掛軸や屏風、また堂内など建物に描かれた絵画もあります。前者の例で古いものですと密教の世界観を表現した「曼荼羅(まんだら)」があります。曼荼羅には「金剛界」と「胎蔵界」の二種類があり、いずれも大日如来(だいにちにょらい)を中心とした諸仏・諸菩薩(ぼさつ)などの緻密な絵です。「潅頂(かんじょう)」という密教独特の儀式の際などに掛けられました。ほかにも「山水屏風」というこれも密教の法要や儀式で間仕切りに利用される屏風などがあり、いずれも「東寺」や「神護寺」など弘法大師ゆかりの寺院に古いものが保存されています。また、堂内に描かれる絵は板壁に柱、梁(はり)など内部一面に描かれていることが多く、これらは仏像・諸尊像と一体化して、仏の世界(浄土)を表現していることが多いです。有名なところでは「平等院鳳凰堂」・「仁和寺金堂」・「仁和寺観音堂」などあります。また、東寺五重塔の初層(1階)板壁には、真言八祖像が描かれています。これはインドから日本へと伝わる密教の奥義を、インドの竜智(りゅうち)から、中国の恵果(けいか)、弘法大師へと、八人の真言宗の祖を描いたものです。

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