露地

露地
ろじ
露地は、「茶室」という清浄無垢な空間へ入るために、あるいは日常から非日常な空間へ入るために心の準備をするプロローグ的空間です。茶の湯の発展とともに、通路としての露地も次第にその体裁を整え、客を迎えるための施設も次々に考えだされました。順々に挙げますと、「待合」「灯籠」「下腹雪隠(したばらせっちん)」「塵穴(ちりあな)」「中門(ちゅうもん)」「蹲踞(つくばい)」「飛石(とびいし)」「垣」などあります。灯籠は、現在は景観のために据えることが多いのですがが、露地では夜噺(よばなし)の茶事に欠かせない照明器具でした。塵穴はごみの処理をするためのものですが、茶事のさなかに雨あるいは雪になったときには、客が軒下で手水に用いることができるよう、考えて作らなければなりません。蹲踞については次のコーナーで述べます。露地から茶室へ移動するためには、かならず「飛石」「敷石」「延段(のべだん)」を通らねばなりませんが、その動線はけっして直線ではなく、またできるだけ長くなるように構成されています。露地は中門を境に二重に造られる場合、露地口から中門までを「外露地(そとろじ)」といい、中門から茶室に近いほうを「内露地(うちろじ)」と呼びます。