天井と窓

天井と窓
てんじょうとまど

草庵風の茶室となりますと、どうしても俗世間から超脱した空間構成を求められることが多く、えてして光のあまり入らない茶室となってしまいがちですが、これも考え方の違いで、茶人の好みによっては、太陽の光を積極的に採り入れようと試みた茶室も作られました。「八窓(はっそう)席」「八窓庵」と呼ばれる茶室があることからも、窓を多く設えた茶室のあることがわかります。書院茶室の場合は、明かり障子が窓の役目を果たしているといってもよいでしょう。また草庵風の茶室の場合、「天井」にもご注目。天井の形式上の種類には、「平(ひら)天井」「落(おち)天井」「掛込(かけこ)天井」とあります。「平天井」とは一面が全て平面の天井。「落天井」とは高い部分と低い部分からなる天井。この場合、客人は天井の高い方、主人は天井の低い方に座ります。「掛込天井」とは斜めになっている天井のことです。構造上の種類では、「竿縁(さおぶち)天井」「網代(あじろ)天井」「化粧屋根裏(けしょうやねうら)」などがあります。「竿縁(さおぶち)天井」は通常の書院などでも見られるタイプで、薄い天井板を長い竿を何本か使って押さえている形です。「網代(あじろ)天井」とはへぎ板と呼ばれる極薄の板や竹を編み込んだ網代状の天井。「化粧屋根裏」とは天井を張らずに屋根裏をそのまま見せる手法です。草庵風の茶室には三種類の屋根のコンビネーションを見せ、「真」「行」「草」に例える天井も多く存在します。

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