床の種類

床の種類
とこのしゅるい

一番オーソドックスな床は、床柱、落掛(おとしがけ)があり、床框(とこがまち)を入れて畳座にしたものでこれを「本床(ほんどこ)」と呼びます。その他には本床を変形した「変形床」、本床を略式化した「略式床」があります。「変形床」には各種ありますが、良く見かける「蹴込床(けこみどこ)」「踏込床(ふみこみどこ)」、そして面白い「室床(むろどこ)」を紹介しましょう。■「蹴込床」畳敷きの代わりに板敷きにした板床の一種で、床框を省き、床板の小口を表して、そこからほんの数センチほど入ったところに板(蹴込板)をはめこんだものです。蹴込板の代わりに丸太や竹などを使ったものもあります。■「踏込床」床框を省き、畳と同一面に板または畳を敷き込んだ床です。つまり一段上っていない床です。■「室床」床の間の内部の天井、側面の壁の木材部分を出さずに、少し円みをつけて土壁で塗り込めている床です。侘びの極地を表現した形式といえる。「待庵(たいあん)」の床が代表的な例です。「略式床」にもやはり種類がありますが、代表的な「壁床(かべどこ)」、独創的な「織部床(おりべどこ)」を紹介します。■「壁床」床柱、落掛、床框も取り付けず、壁面に掛物釘だけを打った極めてシンプルな略式床。■「織部床」壁の天井際に化粧板(雲板)を入れ、掛物釘を打ち、柱を立てて花入釘を打った壁床。古田織部(ふるたおりべ)の考案と伝えられることからそう呼ばれるようになりました。

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