印相と持物

印相と持物
いんそうとじもつ

「印相(いんそう)」とは手や指のポーズのことです。「如来(にょらい)」や「明王(みょうおう)」ではこの印相である程度、その素性がわかります。例えば、「阿弥陀如来(にょらい)」の定印(じょういん)は、「法界定印(一休さんが座禅を組むときの手の形)」から、人差し指同士を背中合わせに立てます。これは「弥陀定印」とか「上品上生(じょうぼんじょうしょう)印」などと呼ばれ、この印相をしている仏像は阿弥陀如来オンリーですので、決め手となります。仏像が何気なくかざしているように見える手にも、「畏れることはないんだよ」というメッセージが込められています。これを「施無畏印(せむいいん)」といいます。掌を上に向けてすっと差し出している手は「与願印(よがんいん)」。これは「さあ、願い事を差し出してごらん。」という意味とされています。また「持物(じもつ)」も仏像選別のときの大きなポイントです。如来は普通、持物は持たないのですが、薬師如来だけは「薬壺(やっこ)」という持物をもちます。これには病人やけが人を治してくれる万能薬が入っているそうです。また菩薩(ぼさつ)像にはこの持物もバラエティに富みます。観音菩薩は蓮(はす)関連の持物が多く、蓮のつぼみや花瓶などを持つことが多いですね。千手観音にいたっては、たくさんの手にたくさんの持物を有します。中にはぶどうもあり、これは豊かな収穫を祈る人の願いを聞き届けてくれる目印だそうです。また愛染(あいぜん)明王は弓と矢を持ちます。愛憎に悩むものを救ってくれる明王ですが、ギリシア神話でも愛の神様キューピットは弓と矢をもっていますね。

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