神輿

神輿
みこし

「神輿(みこし)」といえば祭りの行列につきものですが、実は神様の乗り物です。高級リムジンなのです。華美を尽くして装飾を施すのは、神様への敬愛のしるしで、大会社の社長クラスの車が一般の車と違って、ハイグレードな車種にされるのと同じです。また神輿が1基だけでなく、複数登場する場合、その数だけ主祭神がいらっしゃると考えてよいでしょう。例えば7月の祇園祭の神幸祭(しんこうさい)・還幸祭(かんこうさい)に登場する神輿は3基です。これは八坂神社の主祭神が素戔嗚命(すさのおのみこと)とその妻・櫛稲田姫命(くしなだひめのみこと)、息子の八柱御子神(やはしらのみこがみ)をそれぞれのお神輿に遷していると考えられているからです。また、時代祭の行列には「神輿」ではなく「鳳輦(ほうれん)」が登場します。「鳳輦」とは「天皇」の最高級リムジンのことで、2基の「鳳輦」に乗られる「桓武(かんむ)天皇」も「孝明(こうめい)天皇」も平安神宮に祀られた神様ではあるのですが、天皇であった時代に思いを馳せて「鳳輦」にしているのでしょう。

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