神饌所

神饌所
しんせんしょ

「神饌(しんせん)」とは神様の食事のことであり、その食事の支度をするための社殿が「神饌所」です。呼び方は神社によって異なることもあります。例えば、下鴨神社では「大炊殿(おおいどの)」と「贄殿(にえどの)」です。2カ所もあるのは米や野菜、果実などを調理するところが「大炊殿」。「魚鳥類」などの肉系統を調理するところを「贄殿」と分けているのです。「神饌」が登場するのは神社の大きな行事、神事のときです。神事の最初に神職たちのリレーによって、本殿に「神饌」が備えられます。「神饌」は米や酒はもちろんのこと、「山の幸」「海の幸」「里の幸」など種々のものが用意され、最後は果物がデザートとして給されるというフルコースです。本殿前で最後に神の前に並べるのは宮司の役目です。また神事の終わり近くには「撤饌(てっせん)」というプログラムがありますが、これは神前に供えた「神饌」をさげる行為をいい、そして神様のおさがりを関係者で分けて頂戴することを「直会(なおらい)」といいます。

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