本殿と拝殿

本殿と拝殿
ほんでんとはいでん
本殿(ほんでん)とは「神様」がいらっしゃるとされる社殿。拝殿(はいでん)とは「本殿」を拝するための社殿です。ですから本殿は神のための建物。拝殿は人間のための建物と言い換えることもできます。寺院ではこのように、参拝するところを別の建物で明確に分けたりはしません。仏堂の中で内陣が仏の空間、外陣が参拝者の空間としているか、あるいはお堂は仏だけの空間として、参拝者は、その外(向拝〈こうはい〉という大きな庇〈ひさし〉)からお参りをするかですね。また、神社によっては「本殿」と拝殿が一体化していて中、外からでは区別がつかないということもあります。本殿の建築スタイルについては「建物クローズアップ」をご参照いただくとしまして、少し変わった拝殿をご紹介します。「割(わり)拝殿」といいまして、建物の真ん中に参道が通っている形式です。この形式の拝殿は京都でも時折見られます。「由岐(ゆき)神社拝殿」・「御香宮(ごこうのみや)神社拝殿」・「許波多(こはた)神社拝殿」などいくつか例が見られます。また割拝殿のある神社は女神を祀っているという俗説がありますが、これは参道(産道)が通っている、という語呂から生まれた、昔の「なぞかけ」なのかもしれませんね。