鳥居

鳥居
とりい

「鳥居(とりい)」とは神域と俗界を分けるための結界です。つまり、ここから先は神社の境内であって、神様の領域ですよ、と知らせるための目印です。ではなぜ「鳥が居る」と書くのでしょうか? 諸説ありますが、東南アジアや中国南部の一部の村では村の出入口に日本の鳥居のオブジェのようなものがあり、そこに鶏などの鳥類をくくりつけているそうです。外部から人が入ってくると鳥が騒ぎ出して、中にいる人たちに知らせてくれるのでしょう。「番犬」ならぬ「番鶏」ですね。その形にはさまざまな形状があり、大きく分けて「神明(しんめい)鳥居」と「明神(みょうじん)鳥居」に分かれ、現在よく目にするのは「明神鳥居」の方ですね。この明神鳥居からさらに派生して稲荷鳥居・山王鳥居・三輪鳥居・両部鳥居などがあります。また京都では「三珍鳥居」が良く知られています。伴氏社(ともうじしゃ)=北野天満宮摂社=の柱の台座に「蓮弁の彫り物が有る」鳥居。厳島神社(京都御苑内)の頭に「唐破風(からはふ)」がついている鳥居。最後に蚕の社(かいこのやしろ)=木嶋坐天照御魂(このしまにますあまてるみたま)神社=の三本柱の鳥居。また鳥居の材質は木・石のほか、銅・鉄・コンクリート、はては陶器製まであるそうです。

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