屋根の形と葺き方の種類

屋根の形と葺き方の種類
やねのかたちとふきかたのしゅるい

日本の建築史上最も古典的な「切妻(きりつま)造」。ちょうど本を45度に開いてかぶせたような形。また仏教の伝来とともに、そのお堂の屋根として大陸から伝わったとされる「寄棟(よせむね)造」。これは妻が無く、瓦で4面が全て敷き詰められている屋根です。その「寄棟造」が正方形の建物の屋根である場合「宝形(ほうぎょう)造」と呼びます。そして「切妻造」と「寄棟造」をミックスさせたような「入母屋(いりもや)造」。この四つが屋根の造りの基本形といえるでしょう。また、屋根の上には「瓦葺(ぶ)き」のほかに植物系の「檜皮(ひわだ)葺き」「板葺き」などがあります。「板葺き」は1枚1枚の板の厚さによって、「栩(とち)葺き」「?(こけら)葺き」「木賊(とくさ)葺き」などがありますが、よく見かけるのは「?葺き」です。よく劇場のお披露目を「?落(こけらおと)し」といいますが、それは屋根に残った板の屑を下に落し、建物をきれいな状態にしてスタートさせることから生まれた表現なのです。

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