建築様式(禅宗様を中心に)

建築様式(禅宗様を中心に)
けんちくようしき(ぜんしゅうようをちゅうしんに)
日本の古建築には「和様(わよう)」、「唐様(からよう)=禅宗様」、「天竺様(てんじくよう)=大仏様」を基本として、それらがミックスされた「折衷様」と分類されます。教科書でも御馴染みですね。さて、この中でパッと見て一番分りやすい様式は「唐様(禅宗様)」でしょう。いくつかの特徴があります。まず「礎盤(そばん)」と「ちまき」。これは柱の下に、念入りに加工した石の基礎(カーリング競技のストーンのようなもの)を置き、柱の下面の周囲をわずかですが、丸く削っています。これを「ちまき」といいます。どちらも柱の腐食を防ぎ、長持ちさせる工夫です。また窓のフォルムに特徴があります。「花頭窓(かとうまど)」といいまして、もともとはろうそくのゆらめきをデザインした「火灯窓」だったようですが、火は木造の建物にとって良くないとされたためでしょう。「花(華)頭窓」という字が充てられるようになりました。そういえば花のつぼみのようにも見えますね。