門の種類

門の種類
もんのしゅるい

「門」はその用途や形式によってさまざまに分類できるのですが、今回はよく聞く門の名称を取り上げてみましょう。例えば「勅使門(ちょくしもん)」。これは門の用途(使い方)面での呼び名です。「勅使」つまり天皇のメッセンジャーが通るときにだけ開くという特殊な門で、全ての寺院に常備されているわけでなく、門跡寺院や天皇家とゆかりの深い寺院に限られます。昔は天皇が御所から外に出ることはめったに無かったので、勅使は天皇の代理として、天皇と同等に扱われ、そして迎えられたのです。それから「唐門(からもん)」という名称もよく聞きます。これは形式上の分類の一つで屋根の一部が「唐破風(からはふ)」となっている門です。「唐破風」というのは日本で生まれたデザインで、客人を迎え入れる場所にこの「唐破風」がよく見られます。二条城二の丸御殿の「車寄(くるまよせ)」などは立派な唐破風です。身近なところでは料亭や銭湯にもこの唐破風が見られることがよくあります。いずれも客人を手厚く迎えようとするホスピタリティー精神の表れといえるでしょう。

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