塔頭

塔頭
たっちゅう

「塔」とは「お墓」のことを指します。本来はお釈迦様の墓のみを指しましたが、やがて広くお墓一般を指すようになりました。本山の住持(トップ)やそれに相当する高僧が引退、あるいはお亡くなりになりますと、本山の境内地に、小さなお寺を造り、隠居され、御墓の中に眠り、弟子たちが守っていくようになりました。今では塔頭(たっちゅう)寺院は家族単位で生活している場合が多いようですが、もとは隠居所または墓という役割です。安土桃山時代以降、有力な戦国武将達がこぞって、この塔頭造営のために寄進(寄付)をするようになりました。高僧と仲がよくなり、有力スポンサーとなることによって、塔頭を造営し、自分たち一族の京都での菩提寺として考えたようです。特に大徳寺では黒田家ゆかりの「龍光院(りょうこういん)」、畠山氏ゆかりの「興臨院(こうりんいん)」、細川家ゆかりの「高桐院(こうとういん)」、毛利家・小早川家ゆかりの「黄梅院(おうばいいん)」など枚挙にいとまがありません。

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