役柄のいろいろ

役柄のいろいろ
やくがらのいろいろ

歌舞伎の舞台には老若男女、善人方と悪人方などさまざまな人物が登場します。おおまかに分けて、男性役を立役(たちやく)、女性役を女方(おんながた)の役者が演じます。立役にもいろいろあって、善人方では一座の座頭や主役クラスが務める実役や二枚目役があり、悪人方でも国崩しの別名がある立敵や美男子の悪党役の色敵などは座頭がたいていの場合、務めます。ほかに男性の老け役で親爺役、道化方と呼ばれる三枚目と呼び名もさまざまです。女方もいろんな呼称があり、一つの芝居の中心になる女役を立女形(たておやま)、時代物のお姫さま役は赤姫(あかひめ)と呼んでいます。世話物の女房役、娘役、また老婆役や悪婆役、さらにはお茶屋の女将や仲居頭役を務めるのは花車役(かしゃくやく)と、演目によって多彩な人物が登場するのです。役者の地位やキャリア、年齢で受け持つ役は違いますが、古来、立役から女方まですべてこなせる役者を「兼ル」役者とあがめられてきました。今日ならさしずめ文化勲章を受章した坂田藤十郎が該当するでしょう。

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