動物の鳴き声、鳴きまね

動物の鳴き声、鳴きまね
どうぶつのなきごえ、なきまで

サルとキツネの話が出たついでに、狂言に登場するさまざまな動物たちの鳴き声を紹介しましょう。『靭猿(うつぼざる)』や『猿聟(さるむこ)』に出てくるサルは「キャー、キャー」で分かりやすいのですが、『釣狐(つりぎつね)』のキツネになると、「クワーイ」という鳴き声です。狂言の内容や狂言師が狐の縫いぐるみを着て、発声しますから、分かりますが、文字だけで想像するのはちょっと難しいかもしれません。大きい動物だと『止動方角』という狂言にウマが登場します。若手の狂言師が狂言面をつけ、縫いぐるみを着て舞台狭しと暴れ回ります。その鳴き声が「ヒーヒヒヒヒヒ」。最も小さいのが昆虫の蚊。大名と蚊が相撲をとる『蚊相撲』で大人の狂言師が面をつけて「プ―」。いかにも狂言らしいおおらかな演出です。狂言の舞台はほかにもたくさんの動物でにぎわいます。「コカアコカア」「ビョウビョウビョウ」「ポッホーイ」「コーコーコーコキャー」と鳴くのは、さて何でしょう? 答えは順にカラス、イヌ、フクロウ、ニワトリです。

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