いけばなと環境

いけばなと環境
いけばなとかんきょう
いけばなと環境は密接なかかわりがあります。たて花の時代に描かれた『花王以来の花伝書』には、座敷の置花だけでなく、縁側の花、釣り花、掛け花など環境に合わせたさまざまないけばなの姿が描かれています。その後、屋敷に床の間が造られると、立花(りっか)が床の間に飾られるようになりました。江戸時代中ごろになると町家にも床の間が設けられるようになり、生花(しょうか)が飾られるようになりました。しかし今日、床の間の無い家が増え、スペース的にも立花や生花を飾ることが難しくなりました。そこで、壁に掛けるタイプの自由花や、狭い場所にでも置ける小さな自由花が生まれました。いけばなは古来、生活と共に歩んできましたので、住空間に合うように姿形を変えて、進化し続けています。最近の住宅カタログを見ていますとデザインに優れたものも多く、この家ならどんな花が合うだろうかと考えるのが楽しくなります。