水揚げ

水揚げ
みずあげ
自然から切り取られた花を少しでも長く生き生きとした状態に保つため、古くからいろいろな水揚(みずあ)げ法が考案されてきました。最も一般的なのが水切りで、ほとんどの植物に有効です。バケツなどの深い容器に水をたっぷり入れ、水中で草花の茎を数センチ切ります。水圧と毛細管現象を利用した方法で、茎の導管に空気が入って給水力を低下させるのを防ぐとともに、腐敗菌から切り口を守ります。また、吸水面を広げるために、茎を斜めに切ったり、枝に割りを入れたり、たたいてつぶしたりする方法もあります。ほかに、霧吹きを使って葉に水を掛ける方法や、湿らせた新聞紙でしばらく包んで置く方法も。葉の表面から蒸散する水分を補うことで、花を長持ちさせることができます。逆に、高温や風が当たる状態は蒸散を助長するため、植物にとっては大敵です。これらの方法以外にも、切った草花の根元を熱湯に入れる方法や、根元を焼く方法、塩や灰を切り口にすり込んだり、酢やアルコールに浸したりといった薬品を利用する方法などもあります。いずれも植物によって適する薬品が異なります。お花屋さんで花を購入するとき、水揚げについて尋ねてみるのもいいでしょう。