いけばなの道具

いけばなの道具
いけばなのどうぐ

花をいけるために使う道具には、花材を切る道具、花を留める道具、そして水揚(みずあ)げや仕上げ用の道具などがあります。第一に必要なのは、はさみです。いけばなでは、花や木を切るための専用の「花ばさみ」と呼ばれるものを使います。同じ花ばさみでも流派によって独自の形があり、池坊で使われている柄が一重で、先端がわらびのような形になっている「蕨手」と、古流で使われている柄の輪が大きく二重になった「古流ばさみ」の大きく二種に分けられます。花ばさみには大きさや材質もいろいろとあるので、自分の手になじむものを選ぶことが大切です。また、はさみでは切れない太い枝や木を切ったり削ったりするためには、のこぎりや小刀、鉈(なた)などを使います。ほかに、剣山(けんざん)や花配り、吸水性スポンジなどの花を留めるための道具、枝を自由に曲げるための針金やテープ、針金を曲げたり切ったりする際に使うペンチ、水揚げのために葉に水を吹きかける霧吹き、花器から水を抜くときに使うゴム製の吸水ポンプといったさまざまな道具があり、いける花形や様式、目的によって準備が必要です。

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