立花

立花
りっか
立花(りっか)は、いけばなの一番古い様式を持ついけばなで、中心となって高くそびえ立つ「本木」と、その足元に添える下草で構成されたたて花から発展したものです。室町時代後期、池坊専応(せんおう・せんのう)によって、真(しん)、副(そえ)、正真(しょうしん)、請(うけ)、前置(まえおき)、流枝(ながし)、見越(みこし)の七つの役枝で構成する立花が成立しました。立花は、複雑で多彩な構成をとり、自然の風情や、雄大な景色を表現します。江戸時代初期、初代、二代の池坊専好(せんこう)によって様式的な完成をとげ、武家や公家、富裕な町人の間に流行しました。後水尾(ごみずのお)天皇は立花に夢中になって歯が悪くなったという逸話が残されています。池坊は立花の家として有名になり、今日までいけばなの最大流派として続いています。立花は、多種多様な草木を使い、それぞれの草木が、互いに競い、あるいは協和してつくりだす趣ある風情を、七つあるいは九つの主要な枝をもって組み立てるという高度ないけばなです。