始業式

始業式
しぎょうしき
小学校や中学校に始業式があるのと同様に、花街にも「始業式」があります。ただし、1年に一度だけです。「祇園甲部」は八坂女紅場(にょこうば)で、「祇園東」はお茶屋組合の2階で、「宮川町」は東山女子学園で、「先斗町」は鴨川学園で、いすれも1月7日に行われます。「上七軒(かみしちけん)」だけは1月9日に行われ、場所は上七軒歌舞練場です。
この日は、花街の関係者、お茶屋、置屋(おきや)の女将(おかみ)さん方も一同に集まり、主役の芸妓・舞妓たちも黒紋付の正式な場に着ていく着物姿で出席します。かんざしは「稲穂」です。この式では前年の売上成績の良いお茶屋や芸妓・舞妓の表彰式も行われ、最後の締めには新年を寿ぐ舞が奉納されます。この舞が祇園甲部の場合、井上八千代師匠による「倭文(やまとぶみ)」。同じ花街の伝統でも12月の「事始(ことはじ)め」がフレンドリーな風習とすれば、1月の「始業式」はフォーマルな儀式といえるでしょう。