おくどさん

おくどさん
おくどさん
「おくどさん」とは「かまど」のことです。京都以外の関西圏では「へっつい」と呼ぶこともあります。台所でお米や料理を煮炊きする設備で、今でいうシステムキッチンにあたるでしょうか。
京都では食べ物をはじめいろんなものによく「お」や「さん」を付けます。「おいなりさん」とか「おいもさん」、「お粥(かゆ)さん」などもそうですね。「お」と「さん」の接頭語と接尾語については説明がつきますが、肝心の「くど」の語源については諸説あります。「火途(かど)」が「くど」になった、或いは「燻道(くんどう)」が訛って「くど」になった等々。竈や台所、食事の神である「久度の神」に因んでいるなど、説はいくつかあります。京町家では通り庭の中ほどか、やや奥にこのおくどさんを設え、台所とし出窓から明かりを取り入れ、炊事から出る湯気や煙を外に出すよう、天井も高くしてあります。