京町家の定義

京町家の定義
きょうまちやのていぎ
質素でかつ洗練された町並みを演出する「京町家」。「京町家」の厳密な定義が存在するわけではありませんが、京町家とは本来、お店(仕事場)の部分と住居空間が一つになった都の商人・職人の店舗兼住居といえます。
お店はせずに住居としてのみ用いる場合は「仕舞屋(しもたや)」と呼びました。外観上の特徴では「一文字瓦」の屋根、「格子(こうし)」「虫籠窓(むしこまど)」「土壁」などがありますが、商売の内容によっては、それらのものが外観上全てそろって無ければいけないということではありません。
また2階建のものが多いようですが、平屋もありまた同じ2階建てでも「厨子(つし)二階」という低い2階構造の家もあります。
また中を見ますと、柱や梁などの構造部材が化粧材(隠さずにそのまま露出)として内部空間にも露出しています。そして「通り庭」といわれる、表から裏の庭まで細長く続く土間部分の通路。その上に見える木の組み方や軒を支えも大胆で開放感があります。柱や土台は石の上にのって、地面からの湿気による腐食を防いでいます。
外の壁が表の通りに並行して面し、隣の建物と近接して軒を連ねているのは、住民が限られた住空間でお互いに理解して住まい、商売あるいは物づくりをする職住一帯の建物だといえるでしょう。